お風呂に入れないと、どうなると思う?

「お風呂なんて3日ぐらい入らなくてもへーきへーき!」

と、のんびりと思っている方がもしもいたら、その文末に「※ただし、通常時に限る」と付け加えておいてください。
例えば体調を崩してお風呂に入れない日が数日続いたとしても、私たちはその間、水道の水を使えるということをお忘れなく。
水道の水が使えるということは、手を洗ったり、顔を水で洗ったり、洗濯したての清潔なシャツやパンツを身につけることができるのです。
そういう環境でも「お風呂なんて3日ぐらい入らなくてもへーき!」なら、確かに「そうですね」と同意できます。

では水道の水が使えない3日間は、果たして全くこの状況と同じになるでしょうか?

まず、水道水を使えないので、手を洗うことができません。
手に付いた汚れを洗うことができないので、手、特に爪の間はばい菌(あえてばい菌と表現します)でいっぱいです。
ばい菌がたくさんついているその手で、食事をしたり、顔を触ったり、時には目をこすったりします。

そして、お風呂に1日でも入らなかった経験のある方ならわかるでしょうが、たった1日シャンプーしなかっただけで頭が痒くなります。
頭が痒いので、無意識に手で掻いてしまいます。
特に寝ているときは、無意識に頭を掻きむしってしまいます。
繰り返しますが、爪にはばい菌がたくさん付着しています。
その手で、頭や顔を掻くのです。

さらに、デリケートゾーンが痒くなります。
夏場に汗をかいて、そのままシャワーなどで汗を流さないと、体は痒くなりますね。
デリケートゾーンは特に下着で覆われている部分なので通気性が悪く、他の部分よりも蒸れて痒くなりがちです。
頭と同じで、寝ているときなどに無意識に搔きむしってしまいます。
またここでも繰り返しますが、爪にはばい菌がたくさん付着しています。
そして痒みが強ければ強いほどに掻く力が強くなり、皮膚を傷つけ、ひっかき傷となります。
ひっかき傷からは簡単にばい菌が入り込めてしまいます。
下着を取り替えられないので、汗や汚れで雑菌が繁殖した下着を身につけなければなりません。

このように、「お風呂に入れない」という状況を通常時で考えていてはいけないのです。
清潔な水を十分に使えないということは、あっという間に感染症が発生してしまうのです。

水がいかに大切か、おわかりいただけたでしょうか?

では、災害時に水がストップした場合、一体私たちはどうしたら良いのでしょう?

災害時には、まず水は使えない、と思っておきましょう。
使えたらラッキー、程度に考え、水が使えない前提での備えをしておく必要があります。

【災害時にあると良い備え・お風呂編】

  • ウエットティッシュ
  • ドライシャンプー
  • 体を清潔にする洗い流し不要のクレンジングウォーター
  • 替えの下着